吃音(きつおん)を抱える学生が就職活動をする上での苦悩【コラム】

就活メモ
当記事は2020年にアイルで公開されていたものですが、再構成した記事です

アット新潟研究所で2022年度版として修正と加筆しております。ぜひ、参考までに!

学生にとって就職活動とは今後の人生を決める大きなターニングポイントです。そのような中、就職活動に不安を抱える学生がいます。そこで、今回は吃音(きつおん)を抱えながら就職活動を行う大学院生(Aさん・取材当時20代、男性)にお話を伺いました。

吃音を抱える学生が就職活動に感じる不安は大きい

吃音症を知っていますか?

吃音症は発話障害の一つであり、言葉が詰まったり、音を繰り返してしまったりといった症状があります。発症は2~4歳が多く、そのうちの約50%は自然治癒しますが、大学生や大人になってからも吃音に悩む人がいます。

大学院生として新潟大学に通うAさんは、吃音に悩まされてきました。研究をしながら就職活動も行っているとのことですが、就職先は新潟県内ではなく東京を中心とした関東圏を考えているそうです。

その裏には「東京には吃音の当事者が集うイベントが多く、吃音を持った自分を受け入れてくれる人に出会えるのではないか。」という思いがあります。

現在、Aさんはリクナビやマイナビなど大手就職サイトに加え、障がいを抱える学生のための就職支援サイトを活用しながら、研究の合間を縫って東京に赴き就職活動をしているとのこと。

ところが、なかなか思うようにいかないようです。

熱い思いは口でしか伝わらない世の中

Aさん
Aさん

人前で吃って恥をかきたくないという気持ちから、面接やグループディスカッションに参加することを躊躇ってしまう。

就職活動において、学生はエントリーシートや履歴書などの書類選考や適性検査を受け、面接を行うのが一般的であり、面接では自らの口で面接官に想いを伝えなければなりません。

しかし、吃音を抱える学生にとって面接は大きな壁となります。言葉に詰まってしまうのではないか、吃ったときに笑われてしまうのではないか、といった不安があります。

面接官やグループディスカッションなどで話をするのは、親しい友人ではなく、その大半が初対面の相手になりますが、その中には吃音などの言語障がいを知らない人がいるかもしれません。

そのような場合に、当事者が誤解や偏見を持たれてしまうのは悲しいことです。

吃音など言語障がいのある学生が求める配慮とは

このように言語に障がいのある学生が就職活動を行う際には、企業や周りににいる私たちがどのような点に気を付けることが大切なのでしょうか。

研究員
研究員

就職活動において配慮してほしいことは何ですか?

Aさん
Aさん

吃音が出て言葉に詰まってしまっても、笑ったりばかにしたりせずに待ってほしい。

吃音だけでなく、痙攣性発生障害音声チックなど、様々な言語障がいがありますが、言語に障がいがあっても、自らの言葉で想いを伝えたいという気持ちがあると思います。その気持ちを汲み取り、他の学生と対等に評価してくれる企業が増えてほしいと感じました。

まずは悩まないで相談してほしい

今回は「吃音」について、実際に就職活動をする学生へインタビューしたことを基に、アット新潟なりに問題提起する記事を制作してみました。吃音に限らず、就職活動をするうえで少しでも不安だなあと思う就活生も少なくありません。

アット新潟は就活のプロがいるわけではないため、新潟大学西門徒歩0分にフリースペースを構え、就活支援も行っている「wisdom」の井口さんにお話を伺いました。

井口さん
井口さん

吃音症を含め、障がいに対する企業の認識は、企業によって異なるというのが現状です。
ですが、学生期間に身に着けた知識や経験は、普遍的な強みになります。

井口さん
井口さん

障がいの有無にとらわれ過ぎることなく、
将来やりたいことは何か?それを実現するためには何が必要か?」を考え、
逆算して行動していくことが、とても大切です。

井口さん
井口さん

企業側としては、自分自身や、周囲と異なる事柄に、少なからず抵抗を感じることは仕方がないことかと思います。
ですが、障がいの有無というのは、あくまで人間が持つ様々な個性の一つに過ぎません

井口さん
井口さん

記事にある通り、障がいを持つ方は「他の学生と対等に扱ってほしい」と考えています。
障がいを持つ学生もエントリーしやすい選考活動の実施、その情報発信を行うことで、より多くの学生と出会い、結果として自社の発展に貢献する人材に出会える可能性も高まるのではないでしょうか。

新潟大学に限らず、各大学やハローワークなど行政が運営している相談窓口があります。
まずは相談をすることから始めてみてはいかがでしょうか?1人では悩まずに、就活のプロに相談すると意外な解決策が生まれるかもしれませんね

今後もアット新潟またはアット新潟研究所では、就活に関する様々な考え方や様々な想いを共有できたらと思います。イベント開催も考えていますので、少しでも気になる方はアット新潟研究所をぜひ注目くださいね!

最後にアドバイスいただいたwisdomさんをご紹介

wisdomさんは、新潟大学西門徒歩0分(コスモツーリストさん横)のフリースペースを運営をしています!

また、学生側にも企業側にも、就活に関する支援を行っています!

・少人数かつ私服参加のカジュアルな雰囲気で起業に直接質問できる【ベスジョブ
・県内企業の社長、人事担当者が参加し、採用側のリアルなフィードバックを受けられる【シューショク勉強会

上記のような就活イベントも積極的に開催しています!
中にはオンラインで開催する就活相談もありますので、就活生はとりあえずwisdomさんに行ってみることをおすすめします!またはSNSをチェック!

※記載の大学・学年・所属は執筆時点の情報です
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